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クリエイターのためのセルフブランディング全力授業/青山裕企

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今回はこちらの本をご紹介します。

タイトルクリエイターのためのセルフブランディング全力授業
著者青山裕企
出版社玄光社
初版発行日2018/3/30
備考紙の本で読了
野々蘭

今回はとくに自分の言葉でまとめたり、伝えたい部分を絞って書いてます。全体が気になった方は、通販サイトから目次だけでも読んでみてね!

どんな本?

著者の青山さんは、フリーランスのカメラマンとして活躍しています。

サラリーマンがジャンプしている写真「ソラリーマン」シリーズや、フェティッシュなガールズ・フォト作品「スクールガール・コンプレックス」が代表作。
また、吉高由里子さんなど、有名な女優さんの写真集も数多く手がけています。

そんな青山さんが、主にフリーランスのクリエイターに向けて『食べ続ける』ための戦略を書いたのが、本書です。

本書では、「セルフブランディングとは何か?」について、以下のように書いています。

「セルフブランディング」とは、今までの自分の生き方や経験を振り返り、価値があることに気づき、それらを武器としてアピールすることである。

既に自分の中にある経験や価値を見つけ、それをいかに武器として活動していくか。
青山さん自身の体験や自己分析を例に、授業形式で解説されています。

また、漫画家の山田玲司さん、モテクリエイター「ゆうこす」こと菅本裕子さん、オリエンタルラジオの中田敦彦さんなど、様々なジャンルのクリエイターさん達のインタビューも収録。
これがまたとても熱くて、貴重なお話ばかりなんです。

プロ・アマ問わず、クリエイターとしての自分の強みや価値を、一度じっくり考えてみませんか?

野々蘭

私自身、無理に個性をつけ足そうとして、迷走していた時期があります(笑)
もっと早く読みたかった!

全体の感想

ざっくり感想

クリエイターさんは職人気質な方も多いので、なんとなく「セルフブランディング」というものに、苦手意識や抵抗感がある方もいるかもしれません。

でも、本書を読むと分かると思いますが、やっているのは「徹底的に自分を知る」という作業です。

自分の強みや個性を知ったうえで、それをしっかりと表現し、自分が役に立てる相手に伝えること。

そして、「●●と言えばこの人」と思い出してもらったり、「□□さんになら安心して頼めるね」、「□□さんの新作ならきっと面白いだろうな」という信頼を得ること。

あくまで自分が持っている魅力を適切に伝えることであって、「ないものを付け足す」「偽って良く見せる」ことではありません。

クリエイター自身のためになるだけではなく、お客さんやファン(になり得る人)に、必要な情報や魅力が伝わる。
それによって、Win-Winの関係になれるツールなんだなと、個人的に解釈しています。

ちなみに本書のメインと言ってもいい部分が、「自分にタグ付けをする」というワークです。

このワークは、SNSの投稿で「#(ハッシュタグ)」を付けるように、自分自身の経歴や特徴的な部分などを言語化していく作業です。

たとえば青山さんなら、「#ソラリーマン(作品)」や、「#フェチ」、「#驚異的な晴れ男(自然光撮影ならおまかせ!というアピールだそう)」などを挙げていました。

このタグは、おそらく(自分には個性がないと思っている人であっても)かなりの量になると思います。

ですが、自分自身を知ることは、全ての土台となる一番重要なことと言っても過言ではありません。

少し時間はかかるかもしれませんが、楽しくもあるので、是非一度やってみてほしいです!

「好き」と「得意」と「需要」を分けて考える

「好きなこと」、「得意なこと」、そして「周りから求められること(どのように見られているか)」が全て一致することって、なかなかありませんよね。

その中でも、周りから求められること…つまり「需要」について考えることって、難しいし、つい抜け落ちしてしまいがち。
しかし、これは極めて重要な視点だと青山さんは言います。

 自分の好きなことをきちんとアピールしながら、仕事で結果を出していく。
 好きなことだけではなく、周りから求められることも自分の「武器」だと自覚しながら、結果を出していく。
 どちらもあってこそのセルフブランディングなのです。

このあたりのバランス感、たしかに大事だなぁと思いました。

需要を気にするというと、なんとなく「ウケを狙う」みたいな、ちょっとネガティブなイメージが浮かぶ方もいるかもしれません。

けど、もし誰かが自分の「武器」を教えてくれたなら、それを大事にしたいと思えませんか?

創作活動に限らずですが、自分では当たり前に思っていたこと(当たり前にできること)に感謝されたり、意外なところを褒められたりする機会って、きっとあると思います。

そんなとき、「別に普通なのにな~」と流さずに、「どうしたらもっと喜んでもらえるかな?」と考えるようにしたいです。

「偏愛」を表現することで価値になる

もう一つ印象に残ったのが、編集者の佐渡島庸平さんへのインタビュー。
佐渡島さんが言っていたこの言葉にグッときました。

ある種、偏愛って、みんな価値がないものだろうって、ぽいっと捨てちゃうんです。でもクリエイターの人たちって、何をもってクリエイターなのかというと、世間では価値がないと思っているものに対して、その人が「すばらしい」と言うことによって価値をつけることだと思うんですよ。

自分の偏愛やこだわりを、価値あるものとして伝えられたら…と思うと、なんだかワクワクしてきませんか?
(その偏愛やこだわりを見つけるのにも、「タグ付け」のワークが使えますね。)

先ほどの「需要」の話とは逆になるかもしれませんが(笑)、やっぱりクリエイターとしての原動力みたいなものは、自分の偏愛や、「この良さを表現したい!伝えたい!」というところから湧き上がるような気がします。

「私がこれの価値を伝えるんじゃい!」という気持ち、大事にしていきたいですね。

個人的アクションプラン

最後に、本書を読んでいて、個人的に意識したいと思ったことを3つ選んでみました。

  • 定期的に自分の「ハッシュタグ」を見直す
  • 周りの人に褒めてもらえたことを大事にする
  • (ブログやSNSを)安定して更新を続ける

最後のはちょっと、耳が痛い話でしたね(笑)

中途半端に色々なSNSをやって放置するより、絞ってちゃんと継続する!

渾身の作品をたま~に上げるより、安定して頻度高く更新する人が信頼される!

…といった感じの話が度々出てきて、おっしゃるとおりだと思いました。

私の場合、やりたいことが多くてあれこれ手を出しては、しばらく触れないものが出てきてしまうパターンの常習犯……。
反省点というか、今後の課題です(-_-;)

まとめ

本書は、フリーランスのクリエイターとして「食べ続ける」ためのセルフブランディングについて語った本です。

ですが、徹底的に自分を知り、強みや個性を活かして創作活動をしていくということは、趣味でやっているという方にもぜひ取り入れて欲しいなと思います。

冒頭でも少し書きましたが、私は以前「創作意欲はあるのに、自分が何をしたいのか分からない」、「自分が創作を続ける必要なんてないんじゃないか」と、モヤモヤを抱えながら迷走しまくった時期がありました。

ですが、手帳やノートを使い自分自身を深掘りするようになったところ、次第にそのモヤモヤが薄れていきました(今も完全に答えが出た、とは言えませんが、楽しくやれてますw)。

「タグ付け」のワークはそのとっかかりになると思うので、プロを目指す方はもちろん、趣味として活動しているクリエイターさんにもオススメです。

野々蘭

私も定期的に見直していきたいです!

ちなみに2018年(コロナ禍以前)の本というのもあり、営業スタイルやWeb上での活動の仕方など、時代とともに変化しているかも?と思う部分もあります(オリラジの中田さんなんて、YouTubeで活躍する前のインタビューですしねw)。

ですが、本質的な部分や、刺激になる部分はきっとこれからも変わらないと思うので、定期的に読み返す本になりそうです。

私のように迷走しかけている方、「好き」は分かるけど「得意」や「需要」が分からないという方。
ちょっとボリューミーな本ですが、是非手にとってみてください!